中元すず香さんが好きです

卒業しましたけど

今生で使い捨てるには惜しい人なので

 同じ認識をどれだけの人間が共有してるのかは知らんが、仮に中元すず香が人類の宝であるならば、何よりも大事なのは記録をとることである。いかな馥郁たる宝玉と言えども、人間の姿でこの世に生まれてきたからには、100年後にはこの世にいないのである。生身の人間を観音像に変えて一千年生きながらえさせる神などいまい。ましてや狐の神だとかいうハリボテには無理な相談であるし、ハナからその気もなく、てめーの都合で割り箸のように使い捨てているだけである。そうしてこの美の宝物(ほーもつ)は、いずれ跡形もなく消えるのである。

 そんな運命に抗うために人類が編み出した方法が記録に他ならない。しかし「今の中元すず香」は十分に記録されているのであろうか。この7年だか8年だかの記録はとられてきたのだろうか。中元すず香という、たっぷりと膨らんだ水枕のような、柔らかくも充実した美と歌曲の化身の姿は、その豊かな人間性は、そしてその思想は、ほんの一部しか記録にとどめられないまま、すでにかなりの時間が経過した。もう取り返しのつかないことをしているのである。それは我ら愚かな衆生が、「大事なものは隠しておく」という悪癖から逃れられないからでもあろう。ありがたいものは秘宝・秘仏として奥の間に封印し、何十年かに一度の特別開帳で尊顔を拝んで満足する。次の開帳のときに、我らはこの世にいない。千年、二千年と生き続ける仏像ならそれもよかろう。しかし人間の体を持って生まれてきた中元すず香を、ナントカMETALという形でしかその存在を認識せず、たまに天の岩戸から解放して、たまさかの舞を舞わせて満足することが、この至宝の正しい扱いと言えるのであろうか。

 大事なのは、とにかく記録することである。中元すず香と同時代に生まれた人間にできることは、味噌もクソもなんでもかんでも、まずは記録しておくことである。その価値は、後世の人間が判断したっていいのである。たまの御開帳で内実のない有難味ばっかりを無闇に高め、拝観料とお布施で儲けようとするのは、中元すず香をその程度の商材としてしか認識していないからであろう。あるいは、大事な宝は研究や記録によってケガされるべきではないという、極端な潔癖症のなせる業か。あ、そっちが多数派でしたか。残念。

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 味噌もクソも記録するという意味で、この程度のインタビューですら「貴重」だと言わなければならない現状を憂うべきであろう。柴那典氏は人間に深い興味を持つよりも、音楽業界を構造的に捉えて分析するタイプだと思うので、こうなるのは仕方がないし、一般的な記事としてはまったく問題ないが、そもそも本気でSU-METALと "対話" をしようとはしていない。あらかじめ自分で決めていた構造に落とし込んだだけである。中元すず香にあまり関心がないか、事務所が突っ込んだ質問をすることを許さなかったか、その両方だろう。それはそれでいいんですけど、いったいいつになったら「一般的な記事」から一歩踏み込んだインタビュー記事が出て来るのでしょう。
 でも薄っぺらい質問を精いっぱい膨らませて、誠意をもって答えているすず香先輩は立派であるし、頭のいい人だ。この記事を作ったのは、柴那典氏のライターとしての力量というよりも、話を膨らませたすず香先輩の知恵だろう。しかし相手が真摯に答えているのだから、聞き手だって本気で突っ込まなきゃ面白くならない。「分けて考えている」とか「フィクション」とか「SU-METALはかっこいい存在でいたい」とか、せっかく、せっかく先輩が重要なキーワードを打ち出しているのに、全部SU-METAL様の御説ごもっともで受け流すとは、ボンヤリにもほどがある。そこだろ突っ込むのは。しかもこれはBABYMETALのインタビューではない。SU-METAL一人を相手にしているのである。
 誰か中元すず香と本気で対話をしてください。すず香先輩はそれに応えるだけのアタマも人間性もたっぷり具えてると思います。
 でもみんな先輩のこと本気で信頼してないでしょ。ナメてるでしょ。壊れものみたいに扱わないと傷ついちゃうとか思ってるでしょ。そんなヤワな人間なわけないじゃん。やめてよ「大人の女性」とか言って敬して遠ざけるのは。人間としてぶつかってくださいよ。

 

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