議席数に応じた中元すず香

断念の美学/未来を捨てた数だけ人は輝く

プラトニック・メタル

テキトーな話をします。

素朴な疑いなんだけど、もしかしてメタルヘッズって、好きなバンドの曲を聴いてるときに、自分が「メタルを聴いてる」っていう意識があるんだろうか。ないんだったらそれでいいんだけど、もし "メタルという音楽を聴いている" 自覚とか満足感が常にあるのだとすると、それじゃあ私も話が通じないし、誤解も生まれるなっていう気はする。

たとえばおれはチャーリー・パーカースタン・ゲッツコルトレーンエリック・ドルフィー、あるいはバド・パウエルホレス・シルバーハンプトン・ホーズビル・エバンスなんかを狂ったように聴くが、自分が「ジャズ」を聴いてるとか、「ジャズが聴きたい」みたいなふうには一切思わない*1。それからジェネシスキング・クリムゾンも狂ったように聴くが、「プログレ」を聴いてるのだとは思わない。それは、ビートルズを聴きながら「ロック」を聴いてるとは思わないのと同じくらい当たり前なことです。

あ、でもファンクの場合はこれは「ファンク」なんだと意識するし、ボサノバやサンバはボサノバやサンバだと思うし、サルサはラテン・ミュージックだと思って聴くし、スティール・パルスもこれはレゲエだと思って聴いている。

なんなんだ。特定の個性に対する思い入れの違いなのか。ジャンルの求心力や民族意識の違いなのか。でもラッシュはラッシュだとしか思わないしな。

なんかメタルの人たちを見てると、好きなバンドに対する強い思い入れと同列に、それがメタルっていう大きな部族の正統な一員であることが重視されてる気がする。しかもその他のメタルバンドの存在も「ファミリー」として認めて、みんなで生きていこうとしてるんじゃないかと思えてくる。それは私の勘違いですか。それともメタルの世界では当たり前のことなんだろうか。

強烈なジャンル意識と同族意識、言い換えれば絶対不可侵のメタルの神みたいなものがあるように見える。いったん神の寵愛を受けたらみな平等とか。あるいは、個々のバンドの具体的なサウンドとは別に、形而上的な "メタルの理想" が雲みたいにお空に浮かんでるんではないか。プラトン的なメタルだ*2。そう考えると、「お前はメタルだ」「お前をメタルだと認める」っていうのが、そのままリスペクトの表明になる理由もわかる。BABYMETALがメタルだって言うことが、どうやらBABYMETALにとって名誉になるらしいこともなんとなく理解できる。おれから見ると最高の侮辱なんですけど。

私がメタルのことをダサいだの阿呆だのさんざっぱら言うのは、メタルに限らず、"ジャンル" というものに対する思い入れが一切ないからなんでしょう。そのくせ「メタル」に属する音楽はわりとよく聴いてたりします。でもやっぱり、本当に好きなバンドは「メタル」だとは思っていない。「絶対にメタルとは違う!」と思って聴いている。「だって他のバンドとこんなに違うじゃん!」って目で訴える。

パンテラもそう。そして何よりもジューダスがそう。メタルといっしょにするなって思ってる。メタル・ゴッドなのに。*3

おれの頭の上には、具体的なサウンドを持たない、ひたすらダサくて阿呆っぽいメタルの雲が浮かんでるみたいだ。アンプラトニック・メタルか。わけわかんね。

とにかくなんでもいいから早くBABYMETALをメタルから解放してください。以上です。

 

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しかし最近のファンカムを見てると、なんか「心ここにあらず」な印象を受けるのは私だけだろうか。いつもあった太い「念」みたいなものが伝わってこない。疲れがたまっとるのかもしれんし、演るほうもいい加減飽きるだろうから、それだったら自然なことなんだが。だってあの年頃の子がよ、元々好きでもなかったメタルソングにそういつもいつも全身全霊で打ち込めるとは思えんし、他にもどんどん興味の範囲が広がるはずだし、広がらなけりゃ表現する人として先がないし。パブリックなSU-METALとプライベートな中元すず香だけじゃなくて、パブリックな中元すず香もそろそろ必要になってくるんじゃないの。なんか孫を見てるみたいで心配になる。ここんところ年齢以上に大人になってるように見えるし。思ったよりも早く「べびー」じゃなくなってきた。そのぶん頼もしくなってるから、人間的な魅力は倍増してるんだが。"BABYMETAL" がまったく違うものに変質する日も近いのかもしれん。結局なにが言いたいのかというと、東京ドームの頃よりも5倍ぐらい好きになったということだ。

 

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BABYMETALがオトナになることがなんか「問題」になるのか。気色わりーなー、おっさんは。聖人君子みたいな口ぶりで、遠回しに良識的な行動を要求してくる。どこまで角兵衛獅子扱いしたら気が済むんだ。べびーめたるは意思を持った人間だぞ。それって世代間モラハラだぜ。

 

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品があるけど気取りがなくて、愛情はたっぷりで、でも周りが見えてないバカなファンではなくて、ファンのコミュニティだけで内輪受けするようなベタベタした話し方もしない。本質に切り込んだ話もある。いいなーこういうオトナなブログは。でもスターもブックマークもコメント欄もなくて、コミュニケートというものができない。しょうがない。ここで言う。好きです。*4

 

*1:
ウィントン・マルサリスが冷たいだのラッパが歌わないだのジャズを駄目にしただの殺しただの言うボンクラがいまだに生き残ってるのが不思議だが、どっちにしても、メタリカのライブなんかじゃなくて、おれだったらBABYMETALをこういうところに連れて行く。

*2:会ったことも喋ったこともない、どんな人間だかもまったく知らない中元すず香は、架空のプラトニックすず香である。プラトニックすず香はどこまでも行く。ついには人類の理想形態にまで昇り詰める。

*3:パンテラとジューダスが好きなのか」と思っていただいてかまわないのですが、心情的にというか、文化の総体として好きなのはブラックメタルとゴアグラインドです。それって「ジャンル」じゃん!! んー、そのへんはなんとも言えません。バンド単体として音楽的にも心情的にも満足度が高いのはチルボドとKATATONIAとDisgorge (Mex)でしょうか。なぜかソナタも好きです。デコボコを取り去った総合的な満足度では、私の中ではチルボドとジューダスが双璧ですかね。何か芯の部分が重くて硬い。「ここの部分が突出していい」というのではなく、1個の固まりとして密度が濃くてインパクトがあるという感じでしょうか。平たく言うと「こいつらはホンモノ」っていう感覚とかニオイに近いです。勝手に言ってるだけです。「メタル」というものに思い入れもシンパシーもないのに、「それでもこっち側まで出向いてきた」音だとも言えます(今さらチルボド語ってんじゃねーよと言われても、"I Worship Chaos" を含めて、あたしゃ全部好きですわ)。あ、80年代にはメイデンが好きだったんですけど、それはアルバムジャケットがお洒落だったからなんだと今では判断してます。

*4:ガチなファンではないですけど、BAND-MAIDはそれなりにYouTube漁りもしてきましたし、アルバムも聴いてますし、文字情報も摂取してますし、自分にでき得る限りの密度で接触してるつもりですが、いまだに小鳩ミクから目が離せません。ていうか小鳩ミクしか目に入りません。こんなカッコいい人がいるのかと思ってしまいます。ギターを持った身のこなしも、マイクに向かう真剣な顔も、バンドを作った経緯も、発言も、何もかもがカッコいい。ステージ上の一挙手一投足に私は釘付けです。どうしてメインボーカルじゃないのかと思うくらい声も好きです。私は異常なのでしょうか。これはいけないことなのでしょうか。BAND-MAIDのなんたるかがわかっていないということなのでしょうか。わりと真剣に悩んでいます。一度その辺のところを尋ねてみたかったっぽ!

id:lovebandmaid さんありがとう 


いまに「小鳩趣味」とかいうブログをおっぱじめそうな胸騒ぎがするが
小鳩ミクはぜんぜんヘンな人ではないので
きっと無理だろう
でも何も書かなくたって好きなものは好きである
ていうかガチで好きである
ものすごい好きである
どストライクである
なんかしらんがこの滲み出る有能さ
「持ってるもの」の多さと鉄壁のチャームがたまらんのだっぽ
しかし「小鳩」というと
まずは「小鳩くるみ」を思い浮かべるところは世代だろう

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