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BABYMETALいのち

「ナカモトっていいじゃん」としか言ってないので読む必要ないです

中元さんのうた ~今そこにあるナカモト~

 パリのノートルダム寺院のあたりをプラプラ歩いてたらたまたまBABYMETALを見かけたので、年寄りっぽく「学生さんですかぁ~?パリは初めてですかぁ?」とか言ってなんやかや話しかけて、「写真撮りましょうかぁ」とかほざいてちゃっかり自分も加わってカミさんに写真を撮らせてから、だしぬけに「それじゃあ顔笑ってください菊地さん」って言って菊地さんの手を両手でギューっと握りしめて、呆気にとられたところを返す刀で「いっぱい楽しんでってください水野さん」って挨拶して、もう一人の付き人みたいな人には目もくれないで「さようならぁ~!」ってするシナリオだった。

 今後この妄想をどう修正したらいいのかまだ決まってない。

 

 

......修正するのはむずかしいかも

 

 

 

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どうやって affection を表現したらいいのか困るひとだ

 

 

 

 いま中元すず香に一番歌ってほしい歌はMoon Riverである。たとえばAndrea Rossは虚飾のない素晴らしく上手い歌手だったが、おれはこれまで頭の中に溜めてきた中元すず香の断片をかき集めて、Moon Riverを歌わせてみた。発音のほうはさすがに心許ないが、それでも上手いヘタの次元を超えた、今まで聴いたことのない肉厚なMoon Riverが流れてきた。ぜんぜん違う。自分が生きてきた人生を恥じて、その場で首を括りたくなるような歌声だ。そしてそう思ったことすら許してくれるような歌である。この沈んだ艶のある紫色の声には体温がある。喉の温度が感じられる。その温度はすなわち生命であり、歌いながらも、人間は生きているのである。デフォルメされていない人間が、欠点も全部ひっくるめてそのままの形で、汗だくになって高いところに登っていって、ついに後光が差した瞬間みたいな、そういう歌が歌える人だ。*1

 歌える? いつ? どこで?

 少なくともハコの中ではないな。野外だって舞台があればおんなじだ。「さあここで歌いなさい、みんなあなたの歌を待ってます」って、最初っから油をひいて火をつけるのを待ってるような、そんなお膳立てはいらない。もともと歌がないところ、歌があってはいけないところ、そういうところに沁みわたる声を聴かなければならない。

 それは校長先生が訓示を垂れてる最中にスピーカーから流れてくるのかもしれないし、聴診器を当ててる医者の耳に突然刺さってくるのかもしれないし、寄せ鍋のフタを開けたら身長20センチのちっちゃな中元さんが声を張り上げてるのかもしれないし、すう太郎の声はダシにもなるぞ。そして伴奏なんかなくてもいい。なんならメロディーだって捨ててもかまわない。「えっとぉ?なんでしたっけ?」ってすっトボケるだけで、歌は我らの上に降り注ぐ。それが中元すず香三千世界の姿であろう。"See you!!" とはその意味であり、再会の瞬間は忘れたときにやってくるのだ。

 

おれは中元すず香が「上手い歌手」だなんてちっとも思わない。これ以上うまくなるとも思っていない。違うんだよ。ダメなものをぶら下げてそれでも這い上がってくところがいいの。そこに "人間" の姿が見えるわけ。わかんねえか。

*1:もう時間が経ったから自分で解説しちゃうけど、ここではべつに中元すず香の「歌唱力」が優れてるって言ってるわけじゃないのね。歌唱力なんていう大雑把なくくりで言ったら、また他のプロの歌手と比較したら、中元すず香はヘタクソでしょう。テレビのカラオケバトルに出てくるちびっ子歌手にすら、手もなくひねられるに違いない。歌唱技術という点では比較にもならないからだ。でもそんな人がBABYMETALみたいなヘンなプロジェクトに参加させられて、そのうちなんだか話がデカくなってきて、成り行きで "世界" なんてものを相手に戦わされるハメになって、もうしょうがないから無理に無理を重ねて、汗だくになってやってきた。そしてその無理の部分が、最終的に怨念みたいなエネルギーになって、歌の力に転換されて、こっちに届いた。そこに中元すず香人間性が感じられて、共感もしたわけ。人間は誰だってみんな無理を重ねて、できないこともできるフリをしたりして必死に生きてるわけだし、そういう部分を丸出しにしてる中元すず香って、人間くさくていいなと思った。よく「神懸ってる」とか「天才」とか言うが、そうじゃなくて「人間味」があるから惹かれたんじゃないのホントは。違うの? それから、素の中元すず香とSU-METALのギャップがすごいってのもよく言われるけど、おれはギャップがあると感じたことはない。SU-METALのあのイッパイいっぱいなところと、それに耐えられなくなってスコーンと抜けちゃって、ド素人がプロを超える説得力を発揮したりするところは、中元すず香そのものだろう。

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