いろいろ散らかった私の部屋

 いや、「メタリカさん」とか「アイアン・メイデンさん」とか言われて、さくら学院出身の少女がなんの抵抗もなく聴けちゃう「メタル」って、いったいどういう音楽なんだろうって思って。そしてそれを支持してる「マッチョなメタラー」ってなんなのって。メタラーのメンタリティーってほんとわからんわ。だってメタルって、エクストリームな表現を求めて入り込む世界なんじゃないの? それがメタリカ程度の甘ったるいポップミュージックでどうして満足できるんだろう。パッションも破壊も絶望も呪詛も、なんにもないじゃん。むしろワビサビの世界だよね。微妙すぎてわかんねー*1メタラーってつまり、中庸や節度や様式を重んじる行儀のいい人達ってことになる。そういうカッチリしたところが日本人と親和性が高いっていうか、日本がメタル(=プロレス)大国の一翼を担ってる理由なのか。あくまでも健全で、北欧のブラックメタルやメキシコのゴアグラインドみたいに病んでるわけでもないし。と言ってもこれは、BABYMETALをきっかけに「復権」してるとか言われてる、オッサンのユートピアとしての "いわゆる" メタルの話ですけど。エクストリームメタルの世界では、日本にもいいバンドがいくつもあります。BABYMETALも、わたしの分類ではエクストリーム(な)メタルです。そもそもメタリカさんやアイアン・メイデンさんの敵ではない

 

 

 Metal Safari のファーストはよく聴きました(日本人だよ)

 

 ところでおいらは「アニメ」と「いいね」と「ドキモ」がBABYMETALのキモだと思ってるが、「アニメ」を海外公演のプログラムから外してるのはつくづくもったいない。歌詞の意味が重要だから? いや逆に歌詞のところで余計なハードルがないぶん、ストレートに出来のよさが伝わるだろ。

 SU-METALの冴えた歌唱も、ブチ切れた振り付けも、YUI/MOAの比重の高さも、エモーショナルなメロディーも、ダークな雰囲気も、ドライで切迫感のあるメタルコア風味も、どれもBABYMETAL最高レベルだし、3人揃ってギアを上げないと対処できないくらいポテンシャルの見せ所が満載だし、知らない言語で歌われたとして面白さが減退するとは思えない。カバー曲かどうかなど問題ではない。普通にまっすぐにキラーチューンである。

 おれだって歌詞なんかいちいち聞いてやしない。こんな歌詞に意味やストーリーを見つけようなどというのは無駄な企てだろう。YUI/MOAの歌・セリフにしたって、意味なんかほっといて音色やアーティキュレーションに注目すべきで、それは「おねだり」を含めて他の曲では絶対に味わえない要素だ。そしてSU-METALが高音で切り込むところは、いつものBMの甘い薄膜を突き破る戦慄の瞬間である。

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 そもそも「君とアニメが見たい」は、SU-METALの最もニュアンスに富んだボーカルが聴けるトラックでもある。歌詞の内容がアレなので一体何の感情がこもっているのかはわからないが、特に「こっちなんて気にしなくたって構わないよ/何か飲みもの飲もうよ」や「変に気を使わなくたって構わないよ/ゆっくりしていってね」あたりのテクスチャの滑らかさとくすぐるようなエモーションは、BABYMETALの楽曲の中でも突出している。気を取り直してもういっぺん録り直してセカンドアルバムに入れたっていいと思うが、かなわぬ願いである。

いつ見ても聴いても美しすぎる。
そして観客のこのプリミティブな熱狂こそ
本当に優れたパフォーマンスの証である。
このとき3人はダークサイドのヒロインというものをなんの無理もなく演じているが、
今ではそんなこともできなくなった。

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*1:"Garage Inc." だけは好きですけどね。そりゃしょうがないか。

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