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BABYMETALいのち

「ナカモトっていいじゃん」としか言ってないので読む必要ないです

二人のヘドバンギャ

 いつも LIVE IN LONDON の青デロリアンを観ているが、"BABYMETAL" という舞台/演目のハイライトは、ヘドバンギャでゆいもあの2人が片方のお下げ髪を掴んで前後にステップを踏み、スネアドラムの生音がタン!タン!タン!タン!と空間に響く、「伝説の黒髪を華麗に乱し...」のところだと思っている。この部分に、劇場の板の上で演じられる、ナマの舞台というものの興奮と官能が凝縮されているではないか。

 

MOAMETAL sings Headbanger


[ sound remastered ] MOAMETAL Sings ...


13 Babymetal - Headbanger!! (Moametal Version ...


Babymetal - Headbangya (Moametal Version ...

 

YUIMETAL sings Headbanger

 

 並べてみたが、おれが100%最愛推しだからってわけじゃなく、総合点では菊地さんのヘドバンギャが上回ると思う。magical で mesmerizing で sweet なばかりか、独得の悲しさがあり*1、きちんと菊地最愛のヘドバンギャを歌詞の心に沿って表現している。この歌に別の角度から光を当てているので、演奏も体の動きも視界から消えて、少女の言葉だけが紙の上に印字されていく感じである*2。しかしそれでも、水野さんの前半の「15の夜を忘れはしない... 消え失せろぉぉぉ(?)」は衝撃的だ。聴くたびに喉にこぶし大のカタマリがこみ上げてくる。この音圧と音色、訴求力、アバンギャルドで "荒れた" アンダーグラウンドな味わい、無造作に投げ出すような危なっかしさは、水野さんにしか表現できない世界である。由結の歌がいまいちだとコメントしたそこの外人。朝まで日本語で説教してやるからそこにならえ。*3*4

 菊地さんと水野さんのために、特徴を活かしたソロ曲を本気で作ったってバチは当たるまい。特に水野君は日本語の音節の処理が独得だから、黙らせておくのは果てしなくもったいない。BABYMETALには全部で3つの歌の世界があるが、残りの2つが日の目を見るかどうかは、歌と詩の美を求める私たちの意識にかかっている。あなたがBABYMETALにそこまでのものを求めるかどうかだ。*5

 

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*1:表情や身体表現とは反対に、菊地さんの歌にはなぜかいつも悲しい雰囲気がある。「明日わたしはここにいません」みたいな「これっきり」感があるおセンチな声だからかもしれない。おセンチって死語だっけ? やっぱりあれだな、菊地さんは完璧なアイドルだから、菊地さんが歌い出すとその瞬間に完璧なアイドルのステージになっちゃうから、あんまり歌わせたくないんだろう。でもBABYMETALだってアイドルじゃん。アイドルでいいじゃん。LOVE MACHINE上等じゃん。いずれにしても、バースデー・バージョンの2人のヘドバンギャは、YUIのほうがいいって言ってるやつもMOAがいいって言ってるやつもどっちも正しい。しかしYouTubeのコメントを見ると、MOAはわりと正当に評価されてるが、YUIのほうは歌そのものの価値に言及したものがないみたいだ。貴様らこれの凄さがわからんのか。いつかフルバージョンで聞かせてほしい。聞かせろ。

*2:菊地さんは人民にあまねく愛嬌を振りまく印象が強いが、歌は正反対である。非常に親密度=intimacyが高いというか、目の前にいる一人の人間だけを相手にして、その相手にしか届かないように歌う人だ。目を合わさないように細心の注意が必要であろう。

*3:「寝てんじゃねえブタ野郎」もそうだけど、水野さんってサンプリング素材が多い気がする。"部分" が突出してるっていうか。クールビューティーなフリして相当な暴れん坊ですな。アングラの女王になれる素質があります。「美人だった明治生まれの祖母の若いときの写真」みたいな人でもある。

*4:しかしこんなときでも、横で踊るSU-METALに目が釘付けになるのはなぜですか

*5:ゆいもあがチェッカーズすら知らなかったのにはさすがに愕然としたが。チェッカーズどころかビートルズグループサウンズシャボン玉ホリデーもリアルタイムで見ていたおれからすれば、もうBABYMETALは娘ですらない。

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