べびーめたる趣味 BABYMETAL-minded

普段使いのBABYMETAL/すり減らす女

もう一つのBABYMETAL

 YouTubeの動画をクリックするよりも何千年もの昔、メディアで「BABYMETAL」という名前を初めて目にしたときに瞬間的に頭をよぎったものは何か。薄れる記憶の中でも、その瞬間だけはしっかり押さえておかないと、自分のスタンスは曖昧なままである。私の場合は、ロリータブランドの BABY,THE STARS SHINE BRIGHT であったことは間違いない。

 この "語感" は、今でも自分の中で生きている。そして「BABYMETAL」という字面で連想する世界観としては、ごくまっとうで当たり前のものだったと思っている。BABYMETALはロリータでグロテスクでなければならなかった。そしてもし私がBABYMETALをプロデュースする立場にあったら、愚鈍で何の戦略性もなく、自分の趣味だけで物事を治めようとする人間らしく、徹底してゴスロリを貫き通したあげく、BABYMETALは誰にも見つからず、闇から闇へ葬り去られていただろう。「BABYMETAL」なんていうイカした名前を付けておきながら、あんなふうに体育会系で世界選手権仕様の品行方正なグループにしてしまうところが、本物のプロデューサーの非凡な才能なのである。

 

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 ゴスロリ/ドール系で、アングラで猟奇混じりで乱歩趣味で、真ん中の人形みたいな子がときどき白目剥いてぶっ倒れるとか、照明は全部ローソクだとか、両側の子がチェーンソーやシャレコウベを持って踊り狂うとかいうのが、「BABYMETAL」という語感が必然的に導く姿であった。

 そしてそういうビジュアルにマッチするサウンドは、たとえばカナダのプログレッシブ・アバンギャルド・メタルのUneXpectみたいなものであるはずだった。"Megalomaniac Trees" なんかは、タイトルをそのまま「BABYMETAL」にしてみたい。

 私の中には、本来存在したはずのBABYMETALが並行世界のように生きている。アイドル本来の残酷童話みたいな世界に生きている。残酷で意地悪なのが乙女の矜持である。

 だからもう一つのBABYMETALは、オッサンが理解できるような、あまつさえ涙を流して喜ぶようなセリフは絶対に喋らない。不道徳であっても、乙女には乙女が守るべきココロザシと美と高潔があるからだ。

 

 

そしてその世界は、あの姿カタチをした3人でなければ意味をなさなかった。
惜しい。

 

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